第四の壁 演劇交流会



カテゴリ:[ なんでもフリートーク ]


新着順:6/31


[26] ベケットの芝居

投稿者: 亜門啓太 投稿日:2015年 4月14日(火)18時44分4秒 58.net220148134.t-com.ne.jp  通報   返信・引用

「芝居」という題名が付されたベケットの作品をアトリエ阿呆船で奇才こしばきこうの演出で観た。配役は三木美智代、これは肉体を離れた完全なる観念の世界を描いた演劇であろう。この芝居に肉体は必要ない。男ひとりと女ふたりがそれぞれ壺に入っていて、首だけ出して台詞を言うわけだが、三者の観念が入り乱れ交錯する様を描くのに彼らが既に死んでいるという設定にしたほうが作品として作りやすかったのではないかと思われる。不条理劇にともなう難解さ、不可解さはもちろんあるが、この意味不明の不可解さはベケットが意図していたことであり、おそらく本人も解らない部分があるのではないかと私は考える。抽象画を描くように絵の具をぶつけ、そこでのたうち回って不思議な効果を生み出すのと似た作業が行われたような気がする。ゆえに舞台に表出されるのは観念の世界、夢の中の世界、起承転結や時系列もはっきりしない世界なのである。それ故、無理に意味を理解しようとする必要はなく、三者三様に描き分けられた個性や愛想のたわいないやりとりから観客は自由にイメージを膨らませ、自分の観念の世界に彼らをプレイさせればいいのである。


新着順:6/31


お知らせ · よくある質問(FAQ) · お問合せ窓口

© GMO Media, Inc.