第四の壁 演劇交流会



カテゴリ:[ なんでもフリートーク ]


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[41] Re: アンダーグラウンド夜会2017

投稿者: 亜門啓太 投稿日:2017年12月18日(月)09時46分42秒 softbank060110216195.bbtec.net  通報   返信・引用 > No.40[元記事へ]

>  この掲示板に書くのは実に二年四ヶ月ぶりだ。その間、私は何をしていただろうと考えてしまう。小説を書く事に邁進してきたことは変わらないが、自分がファンの一人として迷走して来たことに気づかされる。もっぱら風蝕異人街の芝居をリスペクトしてきた私だが、いつしか舞台の中に自らをを埋没せてしまい、摩訶不思議なラビリンスに落ちていたのだ。役者がときには初心に帰ることを試みるように、ファンもまた初心に帰ることは必要ではないかと思う。再び自分をまっさらにして芝居を達観し、役者を見つめ、陰にいる演出家や作家のことを想うのだ。
>  そんな気持ちでのぞんだ夜会で私は落涙を止めることができなかった。役者たちの苦悩がひしひしと伝わってきたからである。彼らの切ないほどの情熱が心に流れて来たからである。演出家の内在する熱が(当日、彼は実際に体調不良で発熱していたようだ)私の中に沁みてきたからである。美しいものを見たと私は思った。彼らが己の存在そのもので描き出そうとしている不条理の世界は、妖しく、醜く、美しいものなのである。そのピュアな魂は商売で小説を書き、商売で演じたり歌ったりするときに失われていくものだが、こしばきこうが主宰するこの演劇集団には確かに残っており、それが地下の舞台に散りばめられている。
>  案内役のこいけるりは、すでに10作品に関わっているという。私は半分ほどしか観ていないが、感じることは回を重ねるごとに芝居がうまくなっている手応えがあるということだ。昨夜の寺山の詩を語る場面はとてもよかった。詩の言葉ひとつひとつが観客に届いたのではないかと想う。この人は能力のある人だ。真摯な鍛錬を続ければさらに魅力的な女優になるだろう。
>  高城麻衣子のかもしだす雰囲気は独特のものがある。話すととても明るい感じの人だが、舞台に立つと、疲労、退廃、倦怠、諦念、執念など、アングラ芝居には欠かせないものを個性として表せる人ではないかと思う。舞踊のシーンは若い時の梅沢富美男を彷彿させた。こうした個性を裏付けのある演技力で磨いていけばいっそう役柄は広がり、観客の心をつかむ役者になるだろう。
>  九十九レイナはとても魅力的な女優だと思う。可愛い役者はいくらでもいるかもしれないが、彼女の顔立ちがもっている独特の哀愁は宝だろう。美貌の中にあれだけの悲しみをたたえた人はそんなにいるものではない。私が小説に登場させる何人かの女にしか存在せず、現実には会ったことがない。もちろん素のままの彼女のことは知らない。しかしライトを浴びたときの九十九は語らずして惹きつける絵を舞台に表出させる。歌う姿はカルメン・マキの若き日にも似ているし、昨夜のように男装すると、美輪明宏が銀巴里で歌っていたころの時代に我々を連れて行ってくれる。こしば演劇にはずっといてほしい人だ。
>  そして堀きよ美。私はずっとこの人のファンだったが、昨夜は改めてその仲間の末席に座らせてもらった。初心に帰って応援したいと思う。彼女にとっては舞台こそが生きている場所であり、それ以外は死んでいるのではないかとさえ思ってしまう。そう極端に言うくらいの存在感があるのだ。姿、動き、視線、声、伝わる吐息のひとつひとつさえ手抜かりがなく、そのストイックさには心を打たれる。昨夜は歌もそうだが、次々と変わる衣装が素晴らしかった。陰にすぐれたデザイナーがいるのは間違いない。その衣装で一変した彼女は見知らぬ虚構の世界に我々を連れて行ってくれる。ときには帰れないくらい遠くまで。
>  


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